ハツカネズミといえば残念なことに駆除や対処法といった検索のされ方が多いイメージがありますが、家庭用ペットとして飼う事もできる動物です。
見た目がリアルなねずみなので好き嫌いが分かれる動物かもしれませんが、可愛いらしいフォルムと愛嬌のある表情い癒やされることも多いのではないでしょうか。
そんなハツカネズミですが実際にペットとして購入する場合、どういった飼育道具が必要なのか気になりませんか?
この記事ではハツカネズミを飼う時に必要な情報をまとめましたので参考にしてみて下さい。
ハツカネズミの生態について
体長は6㎝〜9㎝で、体重は10〜25g、耳が大きく、尻尾が5〜10㎝と長いです。身体が小型なため、身軽な身のこなしであり、細い場所を綱渡りのように移動することができます。
また跳躍力はありますが泳ぎは苦手です。
寒さに弱い一方で、乾燥には強く、コンテナにどの荷物に潜んで移動し、世界の広い地域に分布します。
日本でも、史前移入種として、自然環境に隣接する家屋に多く生息することが多いですが、草地・田畑・河原・土手・荒れ地・砂丘などをはじめ、家屋や商業施設の周辺などのさまざまな環境に生息しています。
好奇心は旺盛で警戒心はあまり強くありません。体臭はカビ臭く、鳴き声が甲高いのも特徴です。
植生としては雑食性で種子や穀物類、雑草や花を捕食するほか、小型の昆虫類も捕食します。
また、汚染された飼料はもとより、ペットフードや家畜飼料などを消費します。さらに、農業や家屋に被害をもたらすと考えられています。
ハツカネズミも他のネズミ同様、疾病を媒介しますが、クマネズミ類ほど危険ではありません。
体が成熟するまで2、3ヶ月。寿命は1年程と短めですが、繁殖力があり、年間の繁殖回数が6〜10回で、1回につき平均6匹出産するとされています。
繁殖期は野生下では春と秋であるが、生息環境によっては一年中繁殖することが可能です。
夜行性であり、単独または家族単位で生活することが多いです。
人家では家具の隙間などに巣を作り、河原や畑では、他の動物が掘った巣穴などを利用して生活しています。
ハツカネズミは生きている限り前歯が伸び続けるため、常に固い物をかじり歯を削らなければなりません。
そのため、人家に住み着かれた場合は、家具や家電をかじられる被害がでることがあります。
天敵としては、ネコ・イタチ・フクロウ・ノリス・アオダイショウなどが挙げられます。
興味深い話として、闘争時・性行動時・乳を求める際などに超音波を使ってコミュニケーションをとるということです。
また、渇きに強い由縁には、腎臓が優れており、水分を再吸収して濃い尿を作り出すことがあげられる。
ハツカネズミのエサについて
ペットとして人気もあるハツカネズミは、穀物、果物、植物の種子、昆虫まで食べる雑食です。
ペットとして飼う場合、主食として市販のマウス用の混合フードやペレットがオススメです。
しかし、脂肪分やプロテイン、食物繊維などが多く含まれた人口フードのみ与えてしまうと脂肪が多くなり、肥満気味になったりと、寿命が短くなってしまう可能性もあます。
その為、副食で種子類(ハムスターのエサ)やサツマイモやキャベツ、リンゴなどの果物なども与え、不足しがちなビタミン・タンパク質など、栄養バランスを保ちながら健康に気をつけてあげると良いです。
また、ハツカネズミは小さな体に対して、水をたくさん飲みます。専用のボトルなどを用意して常に新鮮で綺麗な水が飲めるようにしてあげるのもとても大切です。(水は水道水で構いません)
【食物摂取量の目安】
- マウスの体重100gにつき、1日約15g
- 水の摂取量は、同様に100gにつき、1日約15m
注意した方が良いエサ
妊娠出産時にはタンパク質が不足しやすく、共食いや子食いに繋がる恐れもありますので、日頃から種子類や野菜だけ与えることは好ましくないです。
また、げっ歯類のハツカネズミは歯が伸び続けるので、市販の齧り木や、歯を使って食べなければならない固めのフードを与え、不正咬合(ふせいこうごう・悪い歯並び)を防ぐものオススメです。
あげてはいけないエサ
玉ねぎ・長ネギ・ニラ・じゃがいも・アボカド、お菓子などの糖分や油分が多い物・刺激物(辛い食べ物)・アルコール・カフェイン・果物の種など、体に毒になるものもありますので、事前にきちんと調べてあげることが大切です。
嗜好品のおやつについて
副食以外に嗜好品として、たまに美味しいおやつを与えるのもオススメです。
ハツカネズミはサツマイモやカボチャが大好物です。蒸したサツマイモの皮などをあげると皮についた部分を綺麗に食べてくれます。
料理中に出た新鮮な野菜など美味しいエサなどを手から与えると、ハツカネズミは賢いので、人間が美味しいものをくれると学習してくれます。
エサの与え方
ハツカネズミはエサ入れにフンをしてしまうので、こまめに掃除が大切です。しかし少なめに入れすぎてしまい、エサ切れになると共食いやストレスの原因になるので、こまめに入れ替えてあげることが理想的です。
ハツカネズミの値段について
ハツカネズミは主にエサ用マウスとして販売されています。1匹の100~200円程度で購入できるので入手は容易です。
ただ、ハツカネズミは哺乳類なので一般人が通販で購入することはできません。購入する場合は直接ペットショップに行く必要があります。
ハツカネズミの相場は品種によって異なるが、ペットとして一般的な品種であれば1,000円から10,000円の間に収まることが多いです。
デグーのノーマル種だと2,000円から10,000円ほど。スナネズミだと500円から2,000円ほど、チンチラだと20,000円から35,000円ほどです。
チンチラは希少種であるためやや高めのものが多いですが、そのほかの種だとそれほど高くないというのが特徴です。
参考までに他の種族の値段も見てみましょう。
【デグー】
値段は色によって値段が大きく変わっており、アグーチ色というノーマルの色であれば6,000円~10,000円で購入が可能です。
一方で、ブルーやパイド(パッチド)等の色は安くても10,000円以上で取引されます。
体の弱い個体や成長し過ぎた個体、懐きにくい個体などは売れ残ることが多く、小動物を取り扱うペットショップの多くでは大きく値引きされることもあります。
【チンチラ】
値段は一般的はスタンダード(灰色)だと20,000円~35,000円、品種改良されたホワイトや、まだら模様のパイド、希少なバイオレット(青紫)の様な高価な色になると60,000円~80,000円と高値になります。
この様に毛色によって値段に上下があるので、自分がどの毛色のチンチラを購入したいのかをはっきりさせておく必要があります。
ハツカネズミの飼育に必要なもの
飼育開始前に揃えておきたい用品は以下のとおりです。
ケージ
大きく分けて、衣装ケースと、市販されているハムスター用ケージの2択があります。
衣装ケースを使用するメリットは初期費用を抑えられる点です。
また、途中で破損したとしても、高いものではないため買い替えも容易です。
デメリットは、自分で飼育に適した改造を施す必要がある点です。
衣装ケースは本来動物飼育のために作られたものではないので、通気孔や給水ボトルを設置する場所や通気孔を後から取り付ける必要があります。
市販のケージは初期費用がかかりますが、改造の必要がなく、購入後すぐに飼育を始められるというメリットがあります。
ハツカネズミは脱走が得意なので、網目のあるケージを使用する場合目の幅が広すぎないものを使用しましょう。
どちらを使用するにしても、アンモニアがたまると病気の原因となるため、通気性を十分に確保することが必要です。
床材
ウッドチップ、猫砂、新聞紙などがよく使用されます。臭いが気になる方は、消臭を謳った製品がおすすめです。
餌
ハムスター用の餌やドッグフードが使用できます。ビタミンなど足りない栄養素は新鮮な野菜・果物で補ってあげると、ハツカネズミと仲良くなるツールとしても使えるためおすすめです。
給水ボトル
ハムスター用のものが使用できます。ハツカネズミはよく水を飲むため、飼育頭数に合わせたサイズを選び、水を切らさないようにします。
吸水部分のボトル付近がプラスチックで覆われているタイプはかじられて破損する可能性があるため、できるだけ金属の露出部分が長いタイプがおすすめです。
餌入れ
ハツカネズミが噛んでボロボロにならないため陶器製のものがおすすめです。
わざわざペット用品を選ぶ必要性はなく、100円ショップなどで売っている小さい陶器等でも十分使用可能です。
続いて、必須ではないもののあると便利な用品です。
シェルター
ハツカネズミは狭く暗い場所を好みます。したがって、小さなシェルターを入れてあげると安心するでしょう。
ただし、シェルターを入れると飼い主になれるのが遅くなるという情報もあるため、自身の飼育スタイルに合わせて使用しましょう。
かじり木
ハツカネズミの歯は一生伸び続けます。かじり木を入れてあげることで伸び過ぎを防ぎ、同時にストレス解消にもなります。
消臭グッズ
ハツカネズミの排泄物は、臭います。床材の工夫やこまめな交換である程度は抑えることはできますが、それだけでは完全に消臭することは不可能です。
気になる方は、脱臭機や消臭スプレーなどを購入することをおすすめします。
ハツカネズミの飼育で注意すること
ハツカネズミはハムスターに似ている外見をしていて、とても可愛いですよね。飼育してみたい、という人もいるのではないでしょうか。
世界各国どの場所にも生息しているネズミです。生息地はとても広く、様々な環境に生息しています。乾燥を好んでおり、乾燥への耐性は強いです。
雨や風は好まず、天気が悪い時は雨の当たらない空間に隠れていることが多いハツカネズミです。
そんなハツカネズミの飼育での注意点について紹介したいと思います。
飼育上での注意点
オスメスは繁殖させないなら別居させましょう。ハツカネズミはとても繫殖力が高いです。オスメス一緒に入れていると、勝手に繁殖してしまいます。
繁殖させたくないなら、一緒に入れないようにしましょう。
またハツカネズミは夜行性の動物ですので、飼う前に理解しておきましょう。
ハツカネズミは最初はとても臆病で、警戒心が強いです。
新しい環境に慣れるまでそっとしておいたほうが良いでしょう。
しかし、もともとの性格が性格なので、飼育していくうちに慣れてくることもあります。
最初は噛んだりするハツカネズミもいるので、徐々に慣れさせていくようにしましょう。
エサの注意点
ハツカネズミは雑食性でなんでも食べます。
市販のマウス用ペレットやマウス用混合フード、安いドッグフードでも食べます。
野生だと、果物や草も食べます。そのため、副食として果物やキャベツなどの野菜も与えてあげると良いでしょう。
しかし、かんきつ類などの良くないものもあるので、注意が必要です。
まとめ
ハムスターにちょっと似ているハツカネズミですが、意外にちょっとした飼育方法違いやハツカネズミ特有の特徴など気を付けるポイントはあります。
また元々はネズミなので、そのあたりも考慮した飼育が必要になってくる動物です。