ノルウェージャンフォレストキャットは、ノルウェーを中心とした北ヨーロッパ原産の猫です。厚手でふわふわの被毛を持ち、寒冷地でも適応出来る長毛種です。
気品あふれる顔と、ふわふわの毛が人気の大型の猫ですね。今回はノルウェージャンフォレストキャットについてご紹介していきます。
ノルウェージャンフォレストキャットの性格
ノルウェージャンフォレストキャットは、とても穏やか、知的で賢く、人にも懐きやすい性格をしています。
「森の妖精」として北欧の神話にも登場した古くから存在する猫で、ハンターとしての気質も持っているので、屋外での行動を好み、気に登ったりすることもとても得意です。
ペットとして飼われているノルウェージャンフォレストキャットも同様に、高い所が好きで、棚や家電などの高い所に登り、見下ろすことが多い猫種です。
これは、野性の時の木に登る習性の名残であり、また高い所に登り自身の地位アピールの意味もあると言われています。
飼育用品でキャットタワーなど高い所を設置してあげる事が、ノルウェージャンフォレストキャットの場合必須で、ストレスなく暮らせるでしょう。
好奇心も旺盛なノルウェージャンフォレストキャットなので、家庭でペットとして飼われているノルウェージャンフォレストキャットは、いたずらをしたり、ちょっとした失敗をしたりかわいらしい一面もあります。
高貴なイメージと見た目のノルウェージャンフォレストキャットは、プライドも高そうですが、とても社交的で愛情豊かなので、多頭飼いにも適しています。また、他の種類の猫や動物、家で暮らしている子供とも仲良くやっていける場合が多い猫種です。
ノルウェージャンフォレストキャットの特徴
ノルウェージャンフォレストキャットの主な特徴について説明していきます。
【成猫の体の大きさ】
30㎝~45㎝
【成猫の体重】
オスが4㎏~7㎏、メスが3㎏~6㎏とメスが一回り小さい傾向にあります。ノルウェージャンフォレストキャットは、肥満になりやすい体質なので、広々とした環境で飼育し、しっかりした筋肉と骨を維持出来るようにしてあげましょう。
【見た目】
体は猫の中では大型で、前脚に比べて後ろ足が少し長めの腰が高い猫種です。全身の骨格と筋肉はとてもしっかりしていて、顔の形は逆三角形で鼻筋は横から見るとスッとしており、気品のあるかっこいい顔立ちをしています。
一般的に猫は約1年で成猫になりますが、このノルウェージャンフォレストキャットは成熟するまで3~5年かかることも特徴的な一つです。
ノルウェージャンフォレストキャットの寿命について
ここでは、ノルウェージャンフォレストキャットの寿命と、健康に過ごす秘訣について紹介します。
ノルウェージャンフォレストキャットの寿命
ノルウェージャンフォレストキャットの平均寿命は、11年〜14年と言われています。
たくましい骨格と筋肉があり丈夫そうですが、一般的な猫の平均寿命が15年と言われているので、やや短命と言えます。
ただ個体の体質や、飼育環境によっても大きく寿命は違ってくるので、一概に短命とは言えません。
ではノルウェージャンフォレストキャットが少しでも長生きしてくれるように、健康に過ごす秘訣を見ていきます。
ノルウェージャンフォレストキャットが健康に過ごす秘訣
続いては健康に過ごすための秘訣をご紹介していきます。
食事と運動
ノルウェージャンフォレストキャットだけでなく、一般的に言えることですが、ペットを飼育する上で、食事と運動に気を付けることが第一です。
ノルウェージャンフォレストキャットは、食事のあげすぎや、運動不足で肥満になりやすいと言われます。
食事は、成猫になる3〜4年は「高タンパクでカロリーのある食事」を心がけ、運動もたくさんさせてあげましょう。
成猫になってからは食事の種類を変えてあげ、成猫用のキャットフードを食べさせてあげたほうが肥満になりづらいでしょう。
運動ですが、ノルウェージャンフォレストキャットは、木のぼりが得意な猫種なので、キャットタワーなど登れる場所を用意してあげと喜ぶでしょう。
また大型の猫種なので、なるべく広々とした空間で育ててあげるのが理想的です。
温度管理
ノルウェー原産のノルウェージャンフォレストキャットは、寒さに強く暑さに弱い猫種です。
夏場はクーラーなどで温度管理をしてあげ、28℃くらいに調節してあげましょう。
冬場も暖房などで温度が高いと、ノルウェージャンフォレストキャットにとってみれば暑いと感じてしまいます。冬場でも温度を調節し、きれいな飲み水もたくさん用意してあげましょう。
長い被毛のケア
ノルウェージャンフォレストキャットは、ふわふわのボリュームある被毛が特徴的ですが、長い被毛は、ブラッシングやシャンプーなどのケアが必須になってきます。
ブラッシングは1日1回は必要ですが、換毛期には抜け毛が増え溜まってしまうと、毛球症や熱中症を引き起こす心配があります。
また脂っこくなってしまう毛質なので、定期的にシャンプーをしてあげるとよいでしょう。
ストレス
ノルウェージャンフォレストキャットは、環境の変化などのストレスにも強い猫種だと言われます。
そのためストレスにならないように、という気持ちが他の猫より少なくなってしまいがちですが、なるべくノルウェージャンフォレストキャットにとって、ストレスなく暮らせる環境作りが望ましいです。
スキンシップを取り過ぎたり、少な過ぎたりすると、ストレスになってしまうことがあります。
子供がいる家庭では、乱暴に扱わないようにしっかり見てあげることで、ノルウェージャンフォレストキャットがストレスを少しでも感じないようにしてあげましょう。
ノルウェージャンフォレストキャットの値段
ここでは、ノルウェージャンフォレストキャットを購入する場合どこで購入できるか、値段の違いなどチェックしていきます。
ノルウェージャンフォレストキャットは、下記3つの違いにより値段が決まってきます。
- 「ペットショップ」と「ブリーダーから」の違い
- 種類と値段について
- 月齢による値段の違いについて
それではノルウェージャンフォレストキャットの値段の違いを細かく見ていきます。
「ペットショップ」と「ブリーダーから」の違い
他の種類の猫でも同じですが、ノルウェージャンフォレストキャットも売っている店がペットショップか、ブリーダーから購入するかによっても値段に違いがあります。
ペットショップの場合、20万円〜30万円。
ブリーダーから購入する場合、15万円〜30万円くらいと言われています。
基本的にはペットショップでもブリーダーでも血統がしっかりしている、性格、顔つき、毛色がよい場合など値段が高くなる傾向にあります。
またノルウェージャンフォレストキャットは、人気の高い猫種なので、高めに値段が設定されていることがありますが、最近はペットショップなどで見かけることも多い猫種です。
購入を考えている場合、ブリーダーから購入すると、親の性格の場法、健康管理、購入後の相談などもしっかりしてくれることも多く、安心なことが多いです。
種類と値段について
ノルウェージャンフォレストキャットは、色々な毛色の種類が存在しますが、珍しい毛色の種類では、50万円以上するノルウェージャンフォレストキャットもいる様です。
一般的にはノルウェージャンフォレストキャットの値段は20万円前後で、値段の差は1万円くらいと言われています。
ただ猫の中でも値段が高い種類なので、ゆっくり自分の好みの子を探すほうがよいでしょう。
ブラウン
ブラウンはこげ茶色の縞模様をしています。単色や「ブラウン&ホワイト」が人気です。
クリーム
薄いクリーム色から濃いクリーム色までいて、人気の毛色です。
レッド
レッドはオレンジ色がかった茶色の色で、お腹部分が白色の2色の毛色の子も多くいます。日本で言う茶トラと呼ばれる種類で、常に人気がある毛色です。
ブルー
ブルーは空の色のような青色ではなく、灰色がかったブルーグレーです。ノルウェージャンフォレストキャットでは、比較的よく見る毛色です。
ホワイト
真っ白な単色の毛色です。単色のホワイトは珍しく、値段が高くなる傾向があります。
月齢による値段の違いについて
動物を買う時によくあることですが、ノルウェージャンフォレストキャットも月齢が低くて、なるべく産まれたてに近い子が人気で高値となります。
ペットショップで売れ残ってしまった子は、値段が安くなっていきます。
ノルウェージャンフォレストキャットは、成猫になるまでに3〜5年かかると言われます。そのため子猫の状態が他の種類の猫より長く、成長を見守ることが出来ます。
ノルウェージャンフォレストキャットの里親について
ノルウェージャンフォレストキャットの里親について紹介する前に「里親」とはどういうことなのか説明します。
里親とは?
里親とは事情があって飼えなくなったペットや、捨てられた猫の飼い主になる制度で、子猫〜老猫がいて、相性のよい猫から選ぶことが出来ます。
里親制度と言うと、虐待によって保護されたり、無責任な飼い主が猫を捨ててしまい、里親制度によって命が救われるイメージが大きいかもしれません。
ただその他にも、猫の飼育ができなくなった飼い主が里親募集の登録をして、猫を代わりの人に育ててもらうという場合もあります。
猫が欲しいと思って飼っていたけれど、家庭の事情で猫が飼えなくなり手放さなければならなくなり、里親制度に登録する人も多くいます。
既に人の手によって飼育されていた猫は、トイレのしつけがきちんと出来ていたり、避妊や去勢手術が済んでいる場合も多く、血統書などにこだわりがなければ、里親制度で猫を譲り受けるのは、とてもメリットが大きいでしょう。
里親でペットを譲り受けられる場所は、動物保護団体や保護猫カフェなどから、譲り受けるのが一般的です。
また里親を募集しているネットサイトや掲示板、マッチングサイトなどや、近所の動物病院などでも里親を募集していることがあるので、チェックしてみましょう。
里親になるための条件
里親募集をしている団体や、個人の依頼者のほとんどが、里親に相応しいかの審査条件を設けています。意外と知られていないので、ここでチェックしていきます。
- 猫を飼育する経済的余裕、責任感がある
- ペット可能の住宅に住んでいる
- 家族全員がペットを飼育することに同意している
- 室内飼育が可能
上記以外にも個別に条件を設けている場合があるので、各団体のホームページや電話で確認するのがよいでしょう。
ノルウェージャンフォレストキャットの里親募集
ノルウェージャンフォレストキャットは、日本でも人気の猫ですが、里親募集でも多くのノルウェージャンフォレストキャットが新しい家庭で暮らすのを待っています。
言い換えれば、人気の猫のため多くの家庭で飼われており、里親募集も多くなってしまうのが現状です。
またノルウェージャンフォレストキャットは、ブリーダーが飼育していることも多く、ブリーダーが飼育出来なくなってしまった場合、多くのノルウェージャンフォレストキャットが里親募集に出されてしまうことがあります。
ノルウェージャンフォレストキャットは、値段が高めの猫種なので、無料で里親募集で新しく家庭に迎え入れられることは大きなメリットです。
ただ、ノルウェージャンフォレストキャットだけではないですが、里親募集で猫をペットとして飼う場合、ワクチン、去勢・避妊手術(済んでいない場合)、飼育用品、エサ代など飼育するための費用は別途かかります。
またノルウェージャンフォレストキャットは大型猫のため、なるべく広い環境か自由に動き回れる環境が望ましいです。
迎え入れた時の具体的なイメージを持ってから、里親に応募するようにしましょう。
ノルウェージャンフォレストキャットのかかりやすい病気は?
ここでは、ノルウェージャンフォレストキャットのかかりやすい病気を紹介します。
毛球症
ノルウェージャンフォレストキャットは、ふわふわした長い被毛が美しいのが特徴的ですが、この被毛が原因で毛球症になってしまうことがあります。
毛球症は、ふわふわの被毛の中に抜け毛が溜まってしまい、毛繕いをするときに一緒に毛を飲み込んでしまうことで起こる病気です。
毛繕いの際に飲み込んだ毛は、普通は便とともに体の外に排出されます。
ただケア不足や体調不良の場合には、毛がうまく体の外に排出できず、毛が胃の中に溜まり、胃粘膜を刺激したり、胃から小腸への出口をふさいでしまいます。
毛球症にかかると、食欲の低下、吐き気、便秘などの症状が現れます。
注意点
被毛の長い猫種に共通する注意点として、ブラッシングがあります。
ノルウェージャンフォレストキャットも同様に、1日1回、換毛期には1日2回程度はブラッシングが必要です。
ブラッシングすることで、抜け毛が溜まらず清潔に保てるので、皮膚病の予防にもなります。
キャットフードの中には、毛玉対策フードもあるので積極的に与えましょう。
治療
治療するには毛玉除去剤をなめさせて、毛玉を排出させることです。重度の毛球症になると、外科手術もあり得るので、日頃から気を付けてあげることが大切です。
糖尿病
糖尿病は、人間と同様で「運動不足」や「食べ過ぎによる肥満」などから発症し、血糖値が上昇し、高い状態で下がらない病気です。
ほとんどの場合、肥満が原因なので、肥満にならないように、食べるものに気を付け、運動を積極的に行う事が大切です。
注意点
いつもより多く水を飲んだり、ご飯を食べているのに痩せていったり、元気がないなど気になることがあれば、病院で診てもらうことも大切です。
日頃から体調管理に気を付け、定期健診も1年に1度くらいは受けたほうがよいでしょう。
治療
運動、食事療法がメインになりますが、重度の場合インスリンの投与などもあります。
熱中症
ノルウェージャンフォレストキャットは、ふわふわの被毛は二重になっており、保温効果が高く、寒い冬にはよいですが、日本の高温多湿の夏には適していません。
そのため、夏場は熱中症にかかりやすく、注意が必要です。
熱中症を発症すると、よだれを垂らし苦しそうにします。ひどくなってくると嘔吐、下痢、ひきつけなどショック症状を起こすこともあるので、夏場はクーラーがある部屋での飼育が必須です。
注意点
人間と同じで、夏場の暑い時期はクーラーのある部屋で過ごし、気温28℃を越えないようにしましょう。
また冬場でも暖房が効きすぎると、被毛で覆われているノルウェージャンフォレストキャットにとってみれば、暑すぎることもあります。
きれいな飲み水を常に用意してあげ、自由に水が飲めるようにしてあげましょう。
治療
基本的には病院で診てもらうことが大切ですが、熱中症の症状が出たら、すぐに体を冷やしてあげましょう。
風通しのよい部屋へ連れて行く、体を濡れタオルで包むなど、自分で出来ることを早急に行いましょう。